甲子園優勝校の監督が現職の小学校教諭とは!? 慶應高校の選手たちから見えてくる「主体的・対話的な深い学び」【西岡正樹】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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甲子園優勝校の監督が現職の小学校教諭とは!? 慶應高校の選手たちから見えてくる「主体的・対話的な深い学び」【西岡正樹】

 

◾️「主体的・対話的な深い学び」をするための最低限の条件

 

 日本の小学校では、ようやく「主体的・対話的な深い学び」というスローガンが掲げられ、授業においても子どもたちが自ら主体となり、考え、判断し、行動(表現)することが求められていますが、森林さんが慶應高校の野球部の選手たちに求めていることは、正(まさ)しく「主体的・対話的な深い学び」です。

「主体的・対話的な深い学び」は、自らを見つめることで、課題を見つけ、その課題克服のために何をどのようにすればよいのかを考え、その解決に向かって行動していくことです。また、それを一人ではなく、協働的に行っていく。きっと、慶應高校の野球部の練習や試合でも同じような過程が見られ、その過程で選手同士が対話し、監督やコーチと話し合い、助言やサポートを受けることも度々あるでしょうが、そのすべての活動の主体は選手一人ひとりなのです。

 慶應高校の選手たちの行動を見ていると、教師としての問いが生まれてきます。

「教室や授業において子どもたちを信じ、子どもたちが主体的に活動できるように、子どもたちの思いや考えを尊重しているだろうか」

 きっと子どもたちは分かっているのです。自分がどれだけ先生に信じられているか、信じられていないのかを。

「先生はどうせ自分の考えと違っていれば、私たちの考えを変えさせるんだろう」そんなことを子どもが思うような教師と子どもの関係では、子どもは決して「主体」にはなりません。教師に従属するだけです。先述した森林さんの言葉の中に「試行錯誤して最終的に自分で摑んだものが真の力になる」とありましたが、それは、子ども自身が主体として動いて初めて得られる力であり、「喜び」なのです。

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西岡正樹

にしおか まさき

小学校教師

1976年立教大学卒、1977年玉川大学通信教育過程修了。1977年より2001年3月まで24年間、茅ヶ崎市内の小学校に教諭として勤務。退職後、2001年から世界バイク旅を始める。現在まで、世界65カ国約16万km走破。また、2022年3月まで国内滞在時、臨時教員として茅ヶ崎市内公立小学校に勤務する。
「旅を終えるといつも感じることは、自分がいかに逞しくないか、ということ。そして、いかに日常が大切か、ということだ。旅は教師としての自分も成長させていることを、実践を通して感じている」。
著書に『世界は僕の教室』(ノベル倶楽部)がある。

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